HOME > 森造園ブログ

竹垣

最近の住宅では、余り見かけなくなった竹垣ですが、今回の御施主さんは竹垣での依頼でした。

玄関前の空間は、竹垣と木戸を設置して、門扉横の庭はレンガで花壇と、立水洗を竹垣で隠して、全体に砂利敷きにしたいとの要望でした。

〈施工前〉

〈施工後〉

〈施工前〉

〈施工後〉

竹垣があるだけでも雰囲気が出ますね!

自然素材の持つ柔らかさ、温もりが、心休まる空間になっているように感じます。

御施主さんにも、とても気に入って頂きました。

能舞台

毎年、御世話になっている品川のお寺の片隅に大きな甕がありこの甕は何かな?昔の骨壺なのかな?と思っていました。

朝、お寺に行くと参道に移動されていました。

すると、奥さんから「この甕を参道に移したのだけど、骨壺に間違える人が多くてどうにかならないかな」と言われました。

「え!骨壺ではないのですか?自分も骨壺だと思っていました。」と言うと

「昔、ここに能舞台がありその舞台下にこの甕を幾つも置いて音を響かせていたのよ!そこで唯一残ったのがこの甕で、とても希少だから舞台のあった場所に移したの」

全く知りませんでした。

後日、調べるとかつてお寺や神社の境内には能舞台があり、屋外での能が主流でした。舞台の床下に穴を掘り空の甕を上向きに吊し、足拍子の音や笛、太鼓などの音が空の甕に共鳴してより能に深みを与えていたそうです。昔の音響設備です。庭としては水琴窟が近い設備です。

そんな甕の周りに金閣寺垣を提案させて頂き、施工しました。

施工前を取り忘れましたが、ちょっとした竹垣で囲む事で何か特別な物のような感じさえします。

これで、骨壺に間違える人が減ってくれるかな!

枯れ流れ

年明け最初のお仕事は、「枯れ流れの庭」です。

打合せの時にお庭を見させて頂いた所、約4坪弱の広さで、目の前には擁壁が立ちその前に排水溝が通っていました。

一見難しそうな場所ですが、このような場所程面白い庭が出来る気がします。

まず、初めに敷地の鋭角部分は玄関から庭に繋がる場所なので御影石のアプローチ兼テラスにしました。

そして犬走りを真砂土の洗い出しで仕上げました。

隣家との境は、杉皮塀にして主庭が引き立つ様にします。

そして、いよいよ主庭に入ります。

今回は、庭に排水溝があるので、その用途を生かしながら景色にする事を考えて、枯れ流れを主庭の景色にする事にしました。

流れの石組は、使う石によって雰囲気が変わるので石材を選別しに、岐阜の石材屋さんまで行って来ました。

やはり、岐阜まで行った甲斐がありました。石組だけでも良い景色になったと思います。

図面には無かったのですが、排水桝を隠す為に滝石組も設けました。今回は(枯れ)なので水は流さないですが、滝石組を組むと、水を流して見たくなってきます。

そして、最後は植栽です。

主木にイロハモミジを植え、常緑樹で擁壁を目立たなくさせます。

下草にセキショウ、リュウノヒゲ、フッキソウ、シダ類を植えて完成です。

緑が入るだけでも擁壁面の圧迫感は無くなり、視点となる部屋からは自然の滝流れを感じる情景になっていると思います。

自然感を感じる事で落ち着きを与え住まう人の心の拠り所となるでしょう。

この場所(庭)が、御施主さんの癒しの場になってくれると良いと思います。

師走

今年も年末に向けて忙しくなって来ました。
年々少しづつですが増えて来ている顧客様、今回は御近所での竹垣改修工事です。

image

四年前から毎年手入れ管理に入っているこちらの庭では竹垣が朽ちてきたので新しく作り替える事になりました。

以前の竹垣より幅を短くして庭を広く利用出来るようにしたいと要望がありました。
単純なような竹垣の配置も、ちょっとした位置関係で見え方が変わる物です。

image

左右の位置関係で奥に誘引される暗示の効果をもたらします。

竹垣が新しくなると、より一層お正月感が出てきます。
お正月まで後少し、気を引き締めて年末を乗り越えて行きたいと思います。

松竹梅 完成

長く間が空いてしまいましたが、第二期工事の続きです。

築地塀を終えて、既存ブロック塀の仕上げに入ります。

image

丸瓦を乗せて下地を塗ります。

御影石を貼り間延びしたブロック塀のバランスを取ります。

image

そして仕上げは、土佐漆喰の中塗りとされていた半田塗りをヒントに現場の赤土を利用して施工しました。

image

硬い表情だったブロック塀が土塀のやわらかい表情に変わります。

いよいよ植栽に入ります。

image

まずは、この築地塀に合わせて赤松を植栽しました。
打ち合わせ時は、樹種は何にも決めずにいましたが、築地塀が出来上がるにつれて、これは赤松が似合うなと思い赤松に決めました。

image

既存樹木のスモモと赤松が築地塀の雰囲気をより引き立たせます。

そして門側の庭は、日本の里山の代表的な風景竹林を提案させて頂きました。

竹林と言えば孟宗竹ですが、孟宗竹は成長が早く、わずか3ヶ月程で20m以上になるので、一般住宅では忌避されていました。

image

しかし、今回植える竹は一般住宅でも植えられる竹として孟宗竹を品種改良したヒメアケボノモウソウチクと言う伸びない竹です。

ヒメアケボノモウソウチクは、平均5~6mにしかならずに管理もしやすい竹として近年注目されています。

image

下草を植えて仕上げに入ります。

image

最後に、築地塀回りに苔を撒いて苔の発生を促しまます。

これで、完成です。

image

門前に植えられた百日紅をくぐり、竹林を通り抜けると築地塀が出迎えてくれます。

image

室内からは、林を背景に赤と築地塀、スモモ()の木が都会の喧騒を忘れさせてくれます。

image

近年、失われつつある日本の原風景(自然観)を庭に表現出来ればと思って施工致しました。

image

時間が経てば経つほどその環境に馴染んで味わい深い、落ち着きある景色となり、住まう人の心の拠り所となる事と思います。