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ウッドデッキの遣り替え工事です。
近年デッキ材はハードウッドが主流になって来ましたが、少し前まではソフトウッドが主流でした。ソフトウッドは環境にもよりますが、毎年防腐処理をしても10年程で腐り始めてしまいます。
こちらの現場もソフトウッドで作られていて10年程で腐り始め作り替える事となりました。
材はハードウッドのイタウバ材にしました。イタウバは油分が多く表面が滑らかで、ささくれも少なく素足でも歩けるデッキ材として人気のある材です。
イタウバ材の耐久年数は、ノーメンテナンスで25年程なので、これから25年以上は持ってくれるとうれしいです。
毎年御世話になっている御施主さん宅の竹垣工事です。
今回は、建物や施工場所の雰囲気から阿弥陀垣を提案させて頂きました。
上下の框を梢丸太にする事で、より現代の住宅にも合う竹垣になります。
丸太を刻み、寸法を合わせたら下準備は終わりです。
現場で丸太の柱と上下の梢丸太を組み、設置したら次に清水竹を編みます。
完成です。
軽やかで上品な阿弥陀垣、現代の住宅の空間にも、とても合っている竹垣です。
最近の住宅では、余り見かけなくなった竹垣ですが、今回の御施主さんは竹垣での依頼でした。
玄関前の空間は、竹垣と木戸を設置して、門扉横の庭はレンガで花壇と、立水洗を竹垣で隠して、全体に砂利敷きにしたいとの要望でした。
〈施工前〉
〈施工後〉
〈施工前〉
〈施工後〉
竹垣があるだけでも雰囲気が出ますね!
自然素材の持つ柔らかさ、温もりが、心休まる空間になっているように感じます。
御施主さんにも、とても気に入って頂きました。
毎年、御世話になっている品川のお寺の片隅に大きな甕がありこの甕は何かな?昔の骨壺なのかな?と思っていました。
朝、お寺に行くと参道に移動されていました。
すると、奥さんから「この甕を参道に移したのだけど、骨壺に間違える人が多くてどうにかならないかな」と言われました。
「え!骨壺ではないのですか?自分も骨壺だと思っていました。」と言うと
「昔、ここに能舞台がありその舞台下にこの甕を幾つも置いて音を響かせていたのよ!そこで唯一残ったのがこの甕で、とても希少だから舞台のあった場所に移したの」
全く知りませんでした。
後日、調べるとかつてお寺や神社の境内には能舞台があり、屋外での能が主流でした。舞台の床下に穴を掘り空の甕を上向きに吊し、足拍子の音や笛、太鼓などの音が空の甕に共鳴してより能に深みを与えていたそうです。昔の音響設備です。庭としては水琴窟が近い設備です。
そんな甕の周りに金閣寺垣を提案させて頂き、施工しました。
施工前を取り忘れましたが、ちょっとした竹垣で囲む事で何か特別な物のような感じさえします。
これで、骨壺に間違える人が減ってくれるかな!
年明け最初のお仕事は、「枯れ流れの庭」です。
打合せの時にお庭を見させて頂いた所、約4坪弱の広さで、目の前には擁壁が立ちその前に排水溝が通っていました。
一見難しそうな場所ですが、このような場所程面白い庭が出来る気がします。
まず、初めに敷地の鋭角部分は玄関から庭に繋がる場所なので御影石のアプローチ兼テラスにしました。
そして犬走りを真砂土の洗い出しで仕上げました。
隣家との境は、杉皮塀にして主庭が引き立つ様にします。
そして、いよいよ主庭に入ります。
今回は、庭に排水溝があるので、その用途を生かしながら景色にする事を考えて、枯れ流れを主庭の景色にする事にしました。
流れの石組は、使う石によって雰囲気が変わるので石材を選別しに、岐阜の石材屋さんまで行って来ました。
やはり、岐阜まで行った甲斐がありました。石組だけでも良い景色になったと思います。
図面には無かったのですが、排水桝を隠す為に滝石組も設けました。今回は(枯れ)なので水は流さないですが、滝石組を組むと、水を流して見たくなってきます。
そして、最後は植栽です。
主木にイロハモミジを植え、常緑樹で擁壁を目立たなくさせます。
下草にセキショウ、リュウノヒゲ、フッキソウ、シダ類を植えて完成です。
緑が入るだけでも擁壁面の圧迫感は無くなり、視点となる部屋からは自然の滝流れを感じる情景になっていると思います。
自然感を感じる事で落ち着きを与え住まう人の心の拠り所となるでしょう。
この場所(庭)が、御施主さんの癒しの場になってくれると良いと思います。